「肢体不自由児のAACの活用について
〜コミュニケーション態度の特徴に合わせた取り組み〜」
横浜市戸塚地域療育センター 診療係 言語聴覚士 下位友美
受信面に比し発信面に遅れのある子どもに対し、発信面を拡大するためのAACを導入しても、自発的には使用に至らない、一方的な発信になってしまうなど、AACを拡大していく過程で、様々な課題に直面することがある。
今回は、受信面に比し発信面に遅れのある2名の肢体不自由児の助言・指導する機会を得たので、そのAAC活用に向けての取り組みをまとめて報告する。その過程で、子どものコミュニケーション態度の特徴に合わせた対応の必要性、またコミュニケーション場面をいかに設定していくかなど、いくつか課題を得たので、それについても検討したい。
「身ぶり記号・音声記号受信困難な重度運動障害児の評価法の検討」
神奈川県児童医療福祉財団 横須賀市療育相談センター開設準備室
言語聴覚士 大西祐好
音声や身ぶりの理解が困難な重度の運動障害児の評価では、既存の評価を使った場合、ほとんどの検査項目がマイナスとなることが多い。そのため、養育者や療育者の観察のみのチェックや運動面のみの評価になることも少なくない。症例報告で評価の観点や枠組みなどが提案されることもあるが、評価者の経験に基づく評価や、評価の枠組みやプロセスが一定でないことが多い。
重度運動障害児の評価法を開発するため、横浜市の東部、中部、南部各地域療育センターのSTの、重度の運動障害児の評価方法検討し、一定の材料、手順、評価の観点などに基づく評価用紙(試案)を作成した。今回は、評価の内容(試案)及び実際の評価の様子について報告する。
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