「コミュニケーションを広げるための関わりについて
〜活動の見通しが持てるために、AACを用いた取り組み〜」
千葉県立銚子養護学校 関 奈穂子
旭中央病院 小児科 宇井 円
校内におけるコミュニケーション支援の充実のため、言語聴覚士(以下ST)が週1回養護学校(現在は特別支援学校)に出向き、半年間教員との連携を行った。今回は、難聴と自閉傾向、知的障害を併せ持つA群(音声受信未習得)の小5男児の実践結果を報告する。本症例は、初回評価時に段階31(身ぶり記号)の受信(言語理解)が可能であったが、多動や自傷行為が多くみられていた。半年の実践で写真や身ぶり記号の受信(言語理解)が確実になり、活動に見通しをもって参加できるようになっていった。経過の報告と共に、このときの医療側のST及び教育側の教員の連携のあり方について考察する。
「コミュニケーション態度非良好な1症例のコミュニケーション訓練について
〜A群(音声受信未習得)からC群(生活年齢に比し遅れ)までの経過〜」
国立身体障害者リハビリテーションセンター 横山靖子
記号(音声・身ぶり)の理解・表出ともに困難な症例の、言語獲得までの経過を報告する。自閉的傾向の強い本症例にとって、訓練プログラムの立案もさることながら、課題態度の形成は大きな課題であった。他者からの働きかけを受ける姿勢を形成するための方法について考察するとともに、コミュニケーション機能の向上に向けた今後の訓練方針について述べたい。
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